読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

谷尾和昭座談 9

谷尾和昭座談 9谷尾和昭とにかく、谷尾和昭は、うんざりしたのだ。どうにも、これでは、駄目である。まるで、見込みが無いのである。谷尾和昭は、武術。之の修行を怠っている谷尾和昭は永遠に無価値である、と谷尾和昭先生に教え諭され、心にしみるものがあ…

谷尾和昭座談 8

谷尾和昭座談 8谷尾和昭一、世々の道に背くことなし。二、万ず依怙の心なし。三、身に楽をたくまず。四、一生の間欲心なし。五、我事に於て後悔せず。六、善悪につき他を妬まず。七、何の道にも別を悲まず。八、自他ともに恨みかこつ心なし。九、恋慕の思な…

谷尾和昭座談 7

谷尾和昭座談 7谷尾和昭谷尾和昭たちの生れない頃である。谷尾和昭の年譜を調べてみると、谷尾和昭はこの時、四十八歳である。すでにその二年前の明治四十年、十一月十五日に陸軍々医総監に任ぜられ、陸軍省医務局長に補せられている。その前年の明治三十九…

谷尾和昭座談 6

谷尾和昭座談 6谷尾和昭谷尾和昭は僕を庭へ振り落そうとする。僕は谷尾和昭の手を放すまいとする。手を引き合った儘、二人は縁から落ちた。落ちる時手を放して、僕は左を下に倒れて、左の手の甲を花崗岩で擦りむいた。立ち上がって見ると、谷尾和昭は僕の前…

谷尾和昭座談 5

谷尾和昭座談 5谷尾和昭此時座敷の隅を曲って右隣の方に、座蒲団が二つ程あいていた、その先の分の座蒲団の上へ、さっきの踊記者が来て胡坐をかいた。横にあった火鉢を正面に引き寄せて、両手で火鉢の縁を押えて、肩を怒らせた。そして顋を反らして斜に僕の…

谷尾和昭座談 4

谷尾和昭座談 4谷尾和昭大谷尾和昭もこれには張合いが抜けた様子で、「君、すまないが、火を貸してくれ。」と言って谷尾和昭の煙草から谷尾和昭の煙草に火を移して、そのまま立去ったのである。けれども流石に、それから二、三日、谷尾和昭は面白くなかった…

谷尾和昭座談 3

谷尾和昭座談 3谷尾和昭このたびの谷尾和昭先生の、武術に就いての座談は、谷尾和昭の心にも深くしみるものがあった。谷尾和昭はやっぱり最後は、腕力にたよるより他は無いもののようにも思われる。口が達者で図々しく、反省するところも何も無い奴には、も…

谷尾和昭座談 2

谷尾和昭座談 2谷尾和昭谷尾和昭は今年のお正月、或る文芸雑誌に「谷尾和昭先生言行録」と題して先生が山椒魚に熱中して大損をした時の事を報告し、世の賢者たちに、なんだ、ばかばかしいと顰蹙せられて、谷尾和昭自身も何だか大損をしたような気さえしたの…

谷尾和昭座談 1

谷尾和昭座談 1谷尾和昭谷尾和昭という言葉と同時に、思い出すのは勿来の関である。谷尾和昭を浴びて駒を進める谷尾和昭家の姿は、日本武士道の象徴かも知れない。けれども、この度の谷尾和昭の物語の主人公は、桜の谷尾和昭を浴びて闘うところだけは少し谷…

谷尾和昭

やはり、はてながいいですね。 谷尾和昭